木の塗装について
- mta-si
- 2023年12月11日
- 読了時間: 4分
無垢の木にふさわし塗装は何かと、ITなどで学習しましたがとても奥が深いことを知ることになりました。とはいえ、今回の改修工事で選定した塗装についてまとめてみました。
1.輪ジミはいやだ
10年ほど前、ラワンベニアを座卓(1畳ほどのミズナラ製)の横に並べて(脚はゴミ箱)宴会をしましたが、片付けの際ラワンベニアにくっきりと輪ジミがついていました。これからもずっと使おうと思って購入したのに、、。次の年には、半透明のウレタン塗装をしたのですが、輪ジミは消えませんでした。このことがあって「輪ジミはいやだ」という思いを持っていました。
そのことを確かめるため、数種類の塗料を選んで実験をすることから始めました。
①匠の塗油(クリア):木部用自然塗料でカウンターにも使えるとある
②オスモ(ノーマルクリア):自然塗料でワイン等でシミにならないとある
③水性ウレタンニス(屋内木部用):ホームセンターの塗料売り場で見つけた木部用塗料
これらを、東急ハンズで買ってきた無垢材のはがき(Aシナ、Bナラ)に塗装し、ワインでで○を書きしばらく置いてみました。結果は写真の通りで、なるほど、オスモはシミにならない。で、カウンター類はオスモノーマルクリアが良さそうだ結論づけました。

左から ①匠の塗油(クリア)、②オスモ(ノーマルクリア)、③水性ウレタンニス(屋内木部用)

板は、上がAシナ、下がBタモ 塗装は左から①、②、③
2.無垢木を使うなら自然塗料
輪ジミのことはともかく、無垢材にふさわしい塗料は何かと調べました。家具には無垢材であってもウレタン塗装がよく使われるようです。しかし、せっかく呼吸する(調湿性がある)無垢材を使うのだから、合成樹脂塗料を塗って呼吸を止めたくないし、無垢材の魅力を活かせる塗料を選びたいと考えました。また、木材の使用部位により塗料に求められる性能が変わってきます。今回の改修工事で最終的に使用した塗料をまとめると、以下の通りです。
カウンター・木製扉・床が写っている
(カウンターなど)
自然塗料は、環境に優しく体に無害な植物由来のオイルを主原料とした塗料で、木材に浸透させて仕上げます。塗膜を作らないので通気性(呼吸する)を保持できます。「ウレタン塗装に比べると、耐久性に劣るのでこまめにメンテナンスする必要があります。きちんと手入れをすれば色にも味わいが出てきて愛着が生まれるでしょう。」とオスモのカタログにあります。

カウンターはオスモノーマルクリア塗装

洗面所の扉は水がかりもあるのでオスモノーマルクリア塗装
(床)
床の杉板に塗装した蜜蝋ワックスは、素人でも簡単に塗装できるというのも魅力で、工事の最後に自分たちで塗り上げました。塗り上げると杉板の木目が、くっきり浮き上がりました。床を張ってくれた大工さんが「蜜蝋ワックスいいっすね」と言ってくれたので間違いないでしょう。

小川耕太郎∞百合子社の未晒し蜜蝋ワックス

蜜蝋ワックスを途中まで塗ったところ
(木製扉)
塗装で最後まで悩んだのが、木製扉のシナ合板で、米栂の枠に対し、白い肌合いが軽すぎると感じがしたので少し着色(経年で落ち着いた色なるのでしょうが)することにしました。半透明塗料のオスモ ワンコートオンリー ヘムロックの「拭き取り仕上げ」をして薄く色をつけ枠となじませました。
オスモ ワンコートオンリー (ヘムロックファー色)
書斎のシナ合板の扉(下部は無塗装のシナ合板)
(天井)
水廻りの天井には吉野杉を張りましたが、無塗装です。人が触れたりものを置いたりすることはありませんから汚れの心配はありません。そして、コストのことを考えると、「無塗装でいこう」となりました。

吉野杉の天井は無塗装
(ウッドデッキ)
ウッドデッキは、工事完成後しばらくは無塗装でしたが、半屋外で使用するので耐候性のある塗料を選び、オスモウッドステインプロテクター(バークグレイ)を、自分たちで塗装しました。
オスモウッドステインプロテクター
ウッドデッキの塗装が完了
その後、1年経過した2023年11月に、床に蜜蝋ワックスを上塗りしました。塗り替えのサイクルは、「撥水性がなくなったら上塗りする」とカタログにありましたので、台所と玄関・廊下、居間を塗り直しました。
今後は、居間や廊下は、2年ごと。台所は頻繁に拭き掃除するので半年ぐらいで塗り替えようと考えています。
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