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外壁の断熱性能をどう考えたか

  • mta-si
  • 2023年5月27日
  • 読了時間: 2分

更新日:2023年7月7日


ブログ1で、完成後の結露の状況を観察しながら、外廻り建具の断熱性能の考えを性能の考えを書きましたが、ここでは外廻り建具が設置されている外壁の断熱性能についての考えを説明します。


(既存建物の断熱性能)

このマンションの設計は2003年3月に設計されており、省エネルギー対策等級4段階評価の「3」となっていました。具体的には、熱損失係数(Q値)が小さいほど熱が逃げにくいのですが、その値が「4.2」以下になるよう設計されているということです。(省エネ対策等級は、Q値以外に日射や結露の基準も合わせて定めますが)

さらに具体的に言うと、外壁の断熱材として硬質ウレタンフォーム断熱材(熱伝導率0.028)が25mm吹き付けられていました。


             内装材を解体し、既存の断熱材が表れたところ




(改修設計で考えたこと)

改修工事では、この外壁の断熱性能を下回らないようにしようと考えました。吹きつけ断熱材の、経年劣化について調べると、25年経過で73%に低下するとの調査報告もあります。全面的に硬質ウレタンフォーム断熱材を上吹すれば経年劣化をカバーし、将来とも断熱性能は高まります。

また、改修工事においては、既設の吹きつけ断熱材を欠損せざるを得ないので、欠損カ所は確実に復旧することを心がけました。


断断熱材の欠損した部分に丁寧に断熱材を注入します




(現在の住宅省エネ基準)

住宅の省エネルギー基準は1980年に制定されて以降、変遷を重ね強化されてきています。私のマンションは、1999年に制定された「住宅の品質確保等に関する法律」に規定された省エネ対策等級3を満たす設計となっていますが、現在の省エネ基準は、さらに変遷を重ね強化されています。


2022年6月に制定された「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律の一部を改正する法律」に最新の基準が示されています。(目的は、2050年カーボンニュートラル、2030年度温室効果ガス46%削減(2013年度比)の実現に向けてのものです)



私のマンションの外壁の熱損失係数(Q値)が4.2(等級3)で設計されていると上で書きましたが、現在の省エネ基準では2.7であり、より高い性能が求められています。この基準は、2023年の現在、努力義務とされていますが2025年には義務化されます。

なお、改修工事においては、省エネ基準を適合させることは法的に求めらていません。


以上は新築で求められる性能です。今回は改修工事ですから、今までの生活で不便を感じていたマンションの省エネ性能をどこまで高めるかは、外壁の断熱性能と外廻り建具の断熱性能を合わせて考えました。

 
 
 

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